ぽきたに 〜ありきたりな非凡〜

日々の独り言とちょっとした発信

M2の冬に大学院を中退したけど,人生詰まなかった話

どうもこんにちは,たっきーです.

 

これはポエムであり,自分語りです.

 

f:id:tacky0612:20191217135010j:plain

TL;DR

県下最低偏差値のF欄私立大学から国立大学院に外部進学する

研究が辛くなって自殺未遂の後,大学院中退する

内定先に学部卒として雇用される

 

はじめに

この記事は退学 Advent Calendar 2019の23日目のヤツです.僭越ですが書きます.

決して,大学院中退を奨励するようなものではございません.

adventar.org

 

なぜM2の冬に中退したか

これは完全に自分の能力不足であり,スケジュール管理の甘さによる修士論文への進捗の無さによる年度内の修了を諦めたからである.

博士課程前期を修了するためには単位の取得と修士論文を書き上げることと学外での学会発表をすることが必要である.修了のための授業の単位はM1の時点ですべて取得していた.成績は中の下ぐらいだと思う.だが,修士論文を書ける見通しが全くなかったし,乗り越えるモチベーションもなかった.

幸い,こんな自分でも納得の行く就職先から内定が貰えて,春からそこで働けることをワクワクしていた.しかし,修了しないと内定が取り消されると思っていた.(相談掲示板などを眺めてても一般的に内定は取り消されるものだと言われていた.)

そんなこんなで研究が進まない焦りと週4〜5で扶養内で稼げる満額まで入っていたバイトの疲れと将来への不安から(病院に行く余裕なかったし,正式に診断されたわけじゃないので僕の妄想ですが)鬱っぽくなってしまい,これ以上,研究に取り組むのは辛く感じて”逃げ”としての中退を決意しました.

留年の選択肢は経済的に難しかった(留年すると奨学金が止まるので).それに,早く働きたかった.

 

 

大学院へのモチベーション(就活前)

入学前には大学院を”モラトリアム期間の延長”・”就職活動予備校”だと思っていた.ぶっちゃけ,満足の行く就職先が決まれば研究なんてどうでも良かったし,楽なテーマで修士論文を書けたらいいなーぐらいに思っていた.

研究は学部のときからあまり好きではなかったし,得意ではなかった.じゃあなんで大学院に入院したの?って感じだけど,B3の3月には就活が解禁して,研究にあまり触れてない時期から入院するのか大学院進学するのかを決めなければいけなくて,研究というものを知らないまま,大学院に進学した方が良さそうという適当な意思決定をしてしまった.内部進学は学費が高くて諦め,外部の国立大学院を受験した.そして運良く大学院に合格してしまった.

「海外じゃ学部出ただけじゃ相手にされないよw」「理系は院に行かないとお話にならないよw」的な妄言に踊らされて惰性で院に進学してしまった.

とはいえ,機械学習・深層学習について勉強したいモチベーションはあったし,CSについて学んでプログラミングとかのスキルが身につけばいいなとぼんやりと考えていた.

満足の行く就活がしたかったので面接で話せる程度には,頭が悪いなりに研究は頑張って新規性を見出したり提案を加えて既存手法の改善をだしたりしていた(と思う).

 

 

大学院へのモチベーション(就活後)

研究へのモチベーションなんて無かった.大学院に入院した目的である内定は貰えたし,長かった大学生活・大学院生活を走り抜けてゴールしたとすら思った.あとは修士論文を書くだけの状況なのにその修士論文を書く気力が無かった.内定先も研究テーマを応用できるような事業内容じゃないし,ますます研究に取り組む意味が見いだせなくなってしまった(流石にプログラム書く能力とかは必要だと思うが).

しかし,修士論文を提出しないといけないので研究しないわけにもいかず,研究室に行って研究をしていたつもりだが思ったように進捗を出すことができず,先生とのミーティングでも具体的な方針を定められず,どうやって研究と向き合っていったらいいのか分からなくなってしまった.そこから無い進捗を報告する迷走期に突入.なにも研究やってないのに叱責されるのが怖くて使いまわしたスライドで進捗をごまかす進捗報告のゼミ.あぁ,自分はダメな人間だなぁって思うようになってしまった.自信も自己肯定感も完全に失ってしまった.周りの人間は優秀だ.自分がこの研究室で一番弱いと思った.

 

大学院生活

研究こそ辛かったが,大学院生活自体は楽しかった.先輩には恵まれていたと思うし,院から他大学の学部からやってきた僕を研究室の同期は仲良くしてくれたし,後輩にも恵まれていた.研究室で息抜きにスマブラしたり麻雀したりする時間は本当に楽しかった.

研究で進捗が出せなくなってしまってからは研究室に行くことも嫌になってしまい,進捗報告のゼミを無断欠席するようになってしまう.

研究というものは自分で自分を律する事ができないと難しいと感じた.教授のせいにするわけではないが,コアタイムが無いような研究室に配属されると自分でやるしかない.教授ガチャを回して放任系を引いたのなら自分で論文を探して,テーマを模索していかないといけない.本当に研究テーマの選定と研究室選びは慎重に行うべきだと思った.能力が低いとやっていけない.

これからはあまり研究室のメンバーとも会うことも無いと思う.自分には研究から逃げ出した後ろめたさがある.自分が格下である.なので対等に接するのが難しい.

 

人生詰まなかった

内定先にそのまま学部卒の新卒として4月から受け入れてもらうことになった.

中退したら内定が取り消されてしまうと思っていたが,内定先のご厚意に甘えて春から働けることになった.

電話で「今年度内に修了するの厳しそうです...大学院を中退します...」って内定先に相談したら,次の日には「学部卒として来てくれ」って言われた.思ったよりも簡単だった.その上,12月の新卒研修のタイミングで人事の方に1対1で中退にあたってのメンタルケアなんかもして貰って有り難かった(コーヒーとかも奢ってもらったりした).

なんならバイトとして中退〜4月の新卒入社までの期間を雇ってくれることになった.本当にありがたい話だ.あざす.

正直,内定を取り消されてM2の春から学部卒としての就職活動を始める覚悟はできていたつもりだけど,本当に良かった.

 

生きてくれ

中退を決意する少し前,ゼミもサボって修了が見えなくなってしまって,思考がぐるぐる回ってネガティブな方向にしか考えられなくてメンタルがやられた.3日ぐらい何も食べなかった.自殺しようと思った.

人生で初めて希死念慮に負けそうになった.

自殺縄の結び方,絞首刑結び(ハングマンズノット)って言うんだね.初めて知りました.厨二病心を擽られた.

でも死ねなかった.勇気が足りなかった.首に縄をかけてあとは椅子を蹴飛ばすだけの状態まで行ったが,自殺未遂に終わった.涙は出なかった.

生きるのは難しいが,死ぬのはもっと難しいなぁと実感した.

 

中退して自分のキャリアには傷がついてしまったけど,死んでしまうのに比べたら無傷みたいなもんでしょ.無傷は言いすぎた.擦り傷ぐらい.ショックではないと言えば嘘になる. でも,もうつらい研究しなくていいと思うと気が楽になった.

どうでもいいけど無宗教のほうが自殺率たかいらしいね.どうでもいいけど.ちなみに僕は無宗教

 

死ぬほど辛いときは,逃げ道を探してくれ.誰かに相談してくれ.逃げ出すために誰かに迷惑をかけてもいいと思ってくれ.生きてくれ.

 

今(中退時12月)は何しているか

とりあえず,週40時間+残業のフルタイム勤務でアルバイトをしている.なぜかというと,生活をするためだし,上京するための資金稼ぎのためだし,なにより早く修士を中退したことによる負債を早く返上したいからである.僕はこの先,修士を修めることができなかったという後ろめたさを抱えて生きていくんだろう.2年という時間と140万(入学料+授業料)を失ったというのもダメージが大きい.これから巻き返していこうと思う.

フルタイムバイトの合間に上京後の家を決めたりした.はやく上京したい.新卒研修で仲良くなった同期・懇親会で優しくしてくれた先輩と早く働きたい.

といった感じで引っ越しの準備を少しずつ進めている.

 

クリスマス?もちろんバイトだ.

 

小言

中退の申請書類の関係上,学籍は3月31日まであるものの実質ニートである.ニートの実績解除.バイト先の高校生からは「やーい,ニートw」とからかわれる.

退学の手続きは想像以上にめんどくさい.指導教員と面談したり,系長と教務委員の判子と両親の署名集めとか,教員対親の電話での意思確認だったり,それなんてスタンプラリー?

 

僕はブルーピリオドという漫画が好きだ.(以下,ちょっとネタバレ注意)4巻に鮎川龍二というキャラが大学入試試験で「×」とだけ記入して立ち去るシーンがあって,僕はそのシーンが好きだ.なので,退学前に事務に提出しないといけない研究計画書に「×」とだけ記入して提出した.

f:id:tacky0612:20191223154324p:plain

ブルーピリオド 鮎川龍二の入試シーン

 

おわりに

酔っ払った勢いで書いた乱文で申し訳ない.

僕は諦めてしまったが修士論文の提出にはそれなりに能力がいると感じた.他人は学部卒,修士卒はただの通過点なんて言うけど,僕はそんなこと思わない.それなりに躓く人はいるし,見てきた.なので学部卒はすごいし,修士卒はもっとすごい.博士持ちなんてもっとすごい.自己肯定感を持ってほしい.

世界は広くて,自分よりも優れた人達ばかりで溢れていて劣等感に苛まれるときもあり,諦めてしまうときもある.しかし,同じく世界は広くて,案外人生まで諦めるのは早かったりする.気楽に行こう.

…とは言ったものの,修士を出れなかったのは自分の弱さなので反省して今後に活かそうと思う.

 

 

これを読んでいる人は[修士 中退]みたいな検索ワードで来るのかな?とか予想している(僕も中退を考えているとき,めっちゃ調べた).修了できた方がいいとは僕も思うし,中退しないように努力した方が今後のことを考えたら良いと思うが,悩んで自殺してしまうような状態なら辞めてしまっていいと思う.それで,これを読んで少しでも悩んでいる人の気が楽になることを願う.

 

 

 

ブルーピリオド(1) (アフタヌーンコミックス)

ブルーピリオド(1) (アフタヌーンコミックス)

 

 


スポンサードリンク